32personas
性格テスト

人前でとくに緊張します

あがり症の本当の理由

友だちの前ではよく話せるのに、発表になると声が震えてしまいますか?震えるのは気が小さいからではなく、視線が集まった瞬間に注意が話の内容から自分自身へと向きを変えてしまうからです。

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会議で、順番にひとことずつ話していく時間です。自分の番まであと三人くらいになったころから、心臓が速くなります。前の人たちが何を話しているのかはまったく頭に入ってこず、言うことばかりを頭のなかで何度も直しています。とうとう自分の番。口を開いた瞬間に声が少し震え、用意していた文の半分が飛んでしまいます。席に座ってからようやく息ができるようになり、その夜はあの30秒を何度も巻き戻して再生します。

不思議なのは、友だちといるときの私です。おしゃべりのときは言葉がすらすら出てくるし、集まりでは場を盛り上げるほうだったりもします。なのに、発表という名前がついたとたん、どうしてまるで別人になってしまうのでしょう。この記事では、その違いがどこから来るのか、そして震えをなくすかわりに連れていく方法をまとめてみます。

震えるのは、うまくやりたいからです

どうでもいい場では震えません。震えは、体が「いまは大事な瞬間だよ」と知らせる合図です。心臓が速くなり、手に汗をかくのは故障ではなく、大事なことを前にして体が力をかき集める反応です。ときめくときと緊張するときの体の反応が似ているのも、そのためです。

ですから、発表を前に震えるからといって気の小さい人になるわけではありません。むしろ、うまくやりたい気持ち、聞いてくれる人をがっかりさせたくない気持ちが大きいということに近いのです。

いちばん震えた場面を思い出してみると、これがもっとはっきりします。知らない人百人の前より上司ひとりの前のほうが、初めて会う人たちよりある程度知っている同期の前のほうが、震えることもあります。その場で受ける評価が自分にとって大事であるほど、体は大きく反応します。震えの大きさは、自分がその場をどれだけ大切に思っているかを表しているわけです。

視線が集まると、注意が自分に向きます

でも、発表を揺さぶるのは体の震えよりも、注意の向きです。友だちと話しているとき、私の注意は相手と会話の中身に向いています。ところが大勢の視線がいっせいに集まると、注意がくるりと向きを変えて自分に向かいます。「いま声、震えてる?」「表情、変じゃない?」「いま言葉がもつれたよね?」

このとき頭のなかには二人の人がいます。話している私と、その私を外から採点している私。採点する側が力をたくさん使うほど、話す側は使える力が足りなくなります。用意した文が飛んでしまうのは頭が悪いからではなく、採点官が場所を取りすぎているからです。

しかも採点官はいつも大げさです。内側では声がひどく震えているように聞こえても、聞いている人の席からは思ったほど目立ちません。自分の心臓の音は、自分にしか聞こえないのですから。それに聞いている人たちも、たいていは自分の番のことで頭がいっぱいです。自分の番を待ちながら、前の人の話がまったく耳に入らなかった私のように。私がひと晩じゅう巻き戻しているあの30秒を、ほかの人たちは思ったよりすぐに忘れます。

おしゃべりは平気なのに、発表だけ震える理由

同じ人なのに場によって震え方が違うのは、場のしくみが違うからです。

場のしくみ友だちとのおしゃべり発表や会議での発言
話の流れやりとりしますひとりで最後まで続けなければなりません
失敗したとき笑って流せますみんなに聞かれたまま残る気がします
評価ほとんどありません内容と態度を一緒に評価されている感じがします
視線あちこちに散らばりますひとりに集まります

社会性が高い性質でも、発表の前では十分に震えることがあります。人が好きなことと、ひとりで評価されることは別のことだからです。気楽な場の私と人前の私が違うふうに動くのは、偽りではなく自然な適応です。このお話は人によって違う私が出てきますでくわしく取り上げています。

性質によって、つらいポイントも違います。協調性が高い性質は、聞く人をがっかりさせないかと発表前がいちばんつらく、感情の振れ幅が広い性質は、高まった緊張が終わったあとも長く残るので、発表後のほうがつらくなります。その夜にあの30秒を巻き戻してしまう人なら、後者に近いはずです。

原稿を暗記するほど震える理由

震えやすい人は、たいてい準備を多めにします。発表原稿を一字一句もらさず覚え、想定質問の答えまで文章にして書いておきます。ところが、このやり方には落とし穴があります。すべての文を暗記すると、ひとつの単語に詰まっただけで間違えたという合図になり、その瞬間に採点官がまた目を覚まします。準備をすればするほど、間違えられる場所も増えていくのです。

だから準備は、文章よりも骨組みでするのがおすすめです。伝える内容を三つのかたまりに分けて、それぞれのかたまりの最初の一文だけを覚えます。まるごと覚えるのは、このあとお話しする始まりと終わりくらいで十分です。そして、詰まったときに使う非常口の一文を二つほど用意しておきます。「少々お待ちください、メモを見ますね」「いいご質問ですね。その点は確認して、あらためてお伝えします」。詰まっても出ていけるドアがあると分かっていれば、採点官の声がぐっと小さくなります。

震えを連れていく五つの方法

  1. 最初の30秒をまるごと覚えます。 震えは始まるときがいちばん大きくなります。「こんにちは、今日はたった三つだけお話しします。一つめは」ここまでを口になじませておけば、いちばん揺れやすい区間を自動的に通り過ぎられます。締めの一文もひとつ決めておいてください。「以上です。聞いてくださってありがとうございました」。終わりが決まっていれば、話が長くなって迷子になることも減ります。
  2. 目を合わせる人を前もって決めておきます。 よくうなずいてくれる人を二、三人見つけて、その人たちに話しかけるように話します。聴衆全体ではなく何人かと会話するかたちに変えると、注意がまた外に向かいます。オンライン会議なら、画面に映る自分の顔を隠しておくのもひとつの方法です。自分の顔がずっと見えていると、採点官がもっと忙しくなるからです。
  3. 吸うより吐くほうを長くします。 順番を待つあいだ、四つ数えながら吸って、六つ数えながら吐いてみます。心をなだめるより、体を先になだめるほうが早いのです。息を長く吐くと、上がっていた肩が下がり、声もぐっと落ち着きます。発表の直前に廊下やお手洗いで三回やるだけでも違います。
  4. 震えを一文で認めてしまいます。 「少し緊張しています。ゆっくりお話ししますね」。隠すために使っていた力が抜けて、かえって声が安定することもあります。聞いている人も、たいていはもっと寛容になってくれます。
  5. 終わったあとは巻き戻すかわりに、三行だけ書きます。 うまくいったことをひとつ、次に変えたいことをひとつ、実際に誰が何と言ったかをひとつ。三行めを書いているうちに、想像していた反応と実際の反応のあいだの距離が見えてきます。ほとんどは「よかったです」のひとことだったか、何も言われなかったはずです。その記録が積み重なると、次の発表の前に採点官が持ち出す予想の場面も、少しずつ力を失っていきます。

こんなふうには読まないでください

発表の前で震えるからといって、社会人として弱いとか、人前に立つ人間ではないという意味ではありません。震えながらでも言うべきことを言いきる人はたくさんいます。目標は震えないことではなく、震えながらでも伝えることです。震えがおさまっていくペースも人それぞれです。何回かで楽になる人もいれば、毎回少しは震える人もいます。どちらも大丈夫です。

ただ、発表や集まりが怖くて授業や会議、人と会う場をずっと避けてしまったり、何日も前から眠れなくなっておなかの調子まで悪くなったりするほどなら、ひとりで耐えなくて大丈夫です。お医者さんやカウンセラーに話せば、自分に合った方法を一緒に探せます。

震える私は、うまくやりたい私です

震えはなくすべき敵ではなく、連れていく道づれに近いものです。採点官の声を少し小さくして、注意をまた聞く人のほうへ向ければ、震えは残っても言葉は伝わります。次の発表で心臓が速くなったら、それは自分がその場を大切にしているということなんだと、一度だけ思い出してみてください。準備が終わらないほどうまくやりたい気持ちが大きいなら、完璧主義は強みか足かせかも役に立つはずです。無料の性格テストで人前の私とひとりのときの私を分けて見れば、自分がどの場でとくに固まるのか、その根っこが協調性なのか感情の振れ幅なのかが、もう少しはっきりしてくるはずです。

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