32personas
人前と一人の自分

表の自分と裏の自分、私はなぜ人によって違う自分になるのか

飲み会では場を盛り上げるのに、玄関のドアを閉めた瞬間ぷつりと口数が消える私。外の私と内側の私のあいだになぜ距離が生まれるのか、自分の距離を性質ごとにどう読めばいいのかをまとめました。

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金曜日のチームの飲み会です。乾杯の音頭が回ってくれば笑ってひと言添え、会話が途切れればさりげなく新しい話題を出し、隅に座っている新人にも声をかけます。そして夜十一時、玄関のドアを閉めた瞬間、ぷつりと言葉が途切れます。カバンも下ろさないままソファに横になり、スマホの通知をひとつずつオフにしていきます。一時間前の私と今の私、本当に同じ人なのかなと思ってしまいます。

どちらも本当の私です。前に出ていたキャラクターが違っただけなのです。人前の私を表の自分、ひとりのときの私を裏の自分と呼ぶなら、この場面はおかしなことではなく、二つのキャラクターが交代する瞬間です。この記事では、二つのキャラクターのあいだになぜ距離が生まれるのか、そして自分の距離をどう読めばいいのかを解きほぐしていきます。表の自分と裏の自分という言葉がどこから来たのかが気になる方は、先に表の自分・裏の自分の意味を読んでみてください。

距離は役割、期待、コストから生まれます

外の私と内側の私が違ってくるのには、たいてい三つの力が一緒に働いています。

一つめは役割です。 外の場には、担っている役割があります。集まりの幹事、チームのいちばん年下、友だちのあいだの相談役といった具合です。役割は特定の性質を引き上げます。幹事になれば組織性が、相談役になれば協調性が上がります。役割が終われば、引き上げていた性質も元の位置に戻ります。

二つめは期待です。 「あなたはいつも明るいよね」「あなたがいないと盛り上がらない」といった言葉を何度か聞くと、その姿を守ろうとする気持ちが生まれます。みんなが覚えている私を保とうとして、社会性の高い性質をずっとオンにしておくことになります。

三つめはコストです。 引き上げた性質はエネルギーを使います。少しのあいだなら平気でも、長くオンにしておけば疲れます。その疲れ方は性質ごとに違います。社会性を長く引き上げた日は声までかすれるように力が抜け、協調性を長く上げた日はわけのわからない悔しさが残り、感情を長く抑え込んだ日はひとりになってからぐっとこみ上げてきます。みんなが帰ると、そのコストを下ろしてくつろいだ姿勢に戻るのですが、それが裏の自分です。飲み会のあとにぷつりと言葉が途切れるのは、性格が二つあるからではなく、オンにしていたものをオフにしている最中だからです。

つまり二つのキャラクターのあいだの距離は、外で自分がどれだけ性質を調整しながら暮らしているかを示す目盛りに近いものです。

距離は人全体ではなく、性質ごとに違います

「私は外と内側がまったく違う」と感じている人も、よく見ると、五つの性質がすべて大きく離れているわけではないことが多いです。ふつうは一つか二つの性質で大きく開いていて、残りは似ています。方向も一方向だけではありません。外で上がる性質もあれば、外ではむしろ抑えられる性質もあります。

性質人前の私ひとりのときの私
社会性エレベーターで会った人に自分から話しかけます知らない番号には出ず、メッセージで返します
情動性失礼なことを言われても笑って流しますシャワー中にその言葉を思い出して、急にこみ上げてきます
組織性共有カレンダーを色分けして整理します冷蔵庫にいつ入れたかわからないおかずがあります
協調性飲み会のメニューはみんなの意見に合わせますひとりで食べるときは食べたいものをすぐに選びます
探究性実績のあるやり方で手堅く仕事をします明け方まで知らない分野の動画を掘り下げます

この表の中に「これはまさに私だ」と思う行があれば、その性質が自分の距離がいちばん遠い性質である可能性が高いです。最後の行のように、外ではむしろ抑えている性質もあることを覚えておいてください。外で上げている性質は私を疲れさせ、外で抑えている性質は私を息苦しくさせます。

この表を自分バージョンで埋め直してみるのもおすすめです。五つの行それぞれに、先週実際にあった場面を一つずつ書き込むのです。二つの欄がほとんど同じ行はどこでも同じ性質で、書きながら「これが同じ人?」と思う行は距離が遠い性質です。頭の中だけで考えるより、ずっとはっきり見えてきます。

自分の距離を読んで扱う五つの方法

  1. いちばん遠い性質を一つ見つけることから始めます。 五つの性質を一度に見ようとすると、「とにかく全部違う」で終わりがちです。帰り道にいちばん先にオフになるものは何かを思い浮かべてみてください。口数が先に減るなら社会性、表情が先にゆるむなら情動性、整理の習慣が先に崩れるなら組織性、人の顔色をうかがっていた選択がすぐに自分の好みに変わるなら協調性である可能性が高いです。
  2. 方向を確かめます。 外で上げている性質なのか、抑えている性質なのかです。飲み会でずっと人に合わせてきた人は協調性を上げていて疲れたのであり、会議で新しいアイデアを飲み込んできた人は探究性を抑えていて息苦しいのです。二人は休み方も違います。前者には誰にも合わせない時間が、後者にはやりたかったことを思いきりやってみる時間が必要です。
  3. 回復をその性質に合わせます。 社会性の距離が遠い人には、集まりの翌日の夜を空けておくのがいちばん効きます。情動性の距離が遠い人は、外で飲み込んだ感情をひとりのときに数行書いておくと、ぐっと軽くなります。組織性の距離が遠い人は、家を会社のように管理しようと頑張るより、ルールを一つだけ決めましょう。「玄関の前には何も置かない」のようにです。
  4. 裏の自分を出してもいい人を数えてみます。 裏の自分はおもにひとりのときに出てきますが、とても気楽な人の前でも出てきます。「この人といるときの自分が好き」という感覚は、その関係が裏の自分を楽に出させてくれているという意味であることが多いです。そういう人が一人か二人いるだけでも、距離が遠い人はずっと疲れにくくなります。
  5. 身近な人に自分の距離を前もって伝えておきます。 付き合いはじめや新しくできた友だちとのあいだでは、お互いに表の自分で会っています。一緒に旅行に行ったり一緒に暮らしはじめたりして裏の自分を初めて見ると、「変わったね」という言葉が出やすくなります。変わったのではなく、二つめのキャラクターを初めて見ただけなのです。「集まりが終わると、しばらく口数が減るんだ。機嫌が悪いわけじゃないよ」といったひと言を前もって渡しておけば、相手は私の裏の自分を誤解ではなく理解として受け取れます。

距離が近い人を統合型、遠い人を分離型と呼びます。統合型にも読み取れることはあります。どこでも同じ自分なのでぶれない強さがありますが、改まった場でも普段の口調がそのまま出て、誤解を招くことがあります。分離型が悪くて統合型が良いのではなく、それぞれ気をつける場所が違うだけです。分離型は回復の時間を先に確保し、統合型は場に合わせてボリュームを一段階ほど調整する練習をしておくといいでしょう。

こんなふうには読まないでください

  • 距離が遠いからといって、うわべだけなわけではありません。 外で使っている性質も、もともと自分の中にあった性質です。ないものをでっち上げたのではなく、ボリュームを上げただけです。
  • 裏の自分が本物で、表の自分が偽物という意味でもありません。 外で人を気づかう私も、家で通知をオフにする私も、同じ人です。
  • 距離は一生変わらない値ではありません。 新しい仕事を始めたり、親しい関係ができたりすると、距離は縮まることも広がることもあります。
  • タイプは箱ではありません。 二つのコードは私を閉じ込めるマス目ではなく、今二つのキャラクターがどのあたりに立っているかを示す座標です。

外ではどこまでも優しいのに、ひとりになるとわけもなく疲れてしまうなら、人にはやさしい私、一人だと疲れる私で協調性の距離についてさらに詳しく取り上げています。

人によって違う私になる理由

人によって違う私になるのは、芯がないからではなく、場ごとに必要な性質を取り出して使っているからです。そして、その性質をどこまで引き上げるかが、私の距離です。距離がわかれば、どこで疲れるのか、どう休めばいいのかも一緒に見えてきます。

無料の性格テストは、人前の私とひとりのときの私を別々にたずねて、五つの性質それぞれで二つのキャラクターがどれだけ離れているかをお見せします。表で「まさに私だ」と思った行が、実際にもいちばん遠い性質なのか確かめてみてください。

この記事は自己理解を助けるためのもので、心理診断や治療に代わるものではありません。

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