32personas
人前と一人の自分

好きだったことがいやになったとき

そのことではなく、その居場所が変わったのです

好きでやっていたことが、ある瞬間から宿題のように感じられるなら、いやになったのはそのこと自体ではなく、それが置かれた場所なのかもしれません。見る目、約束、目標、慣れがくっついて重くなる四つの道と、また軽く戻す五つの方法をまとめました。

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仕事から帰ると、一、二時間ずつ編み物をしていた頃がありました。毛糸を選ぶところから好きで、目を数えているうちに、一日の雑音が静かに沈んでいきました。できあがったマフラーを巻いた写真を投稿すると、友達が「私にもひとつ」と頼んできました。その次は友達のきょうだいが、その次は会社の同僚が。うれしい気持ちで引き受けた頼みごとがリストになり、リストが日付をつけて現れるようになりました。ある晩、ソファの横の毛糸のかごを見ると、気持ちが重くなります。たしかに好きだったことなのに、今日は手も触れたくありません。

好きだったことがいやになると、私たちはまず自分を疑います。「もともと、こんなにすぐ飽きる人間だったのかな。」でも多くの場合、いやになったのはそのこと自体ではありません。この記事では、好きだったことが宿題のように感じられる瞬間、その中で何が変わったのか、そしてそのことをまた軽く戻す方法についてお話しします。

いやになったのは、そのことではなく、その居場所です

好きでやっていることは、たいていひとりのときの自分に属しています。誰も見ていなくても、うまくできなくても、今日途中でやめても大丈夫なことです。そのゆるさが、それを好きになった理由のひとつです。

ところが、そのことに何かがくっつきはじめると、居場所が移っていきます。見る人ができ、待つ人ができ、数字の目標ができると、それは少しずつ人前での自分へと渡っていきます。人前での自分は、約束を守り、期待に応え、結果を出す側です。同じ編み物でも、ひとりのときの自分にとっては休息で、人前での自分にとっては納品なのです。

居場所が移るにつれて、消えていくものもあります。ひとりのときの自分には、三つの自由がありました。下手でもいい自由、途中でやめてもいい自由、誰にも説明しなくていい自由です。人前での自分に渡った瞬間、この自由がひとつずつ抜けていきます。下手な出来は見せるのが恥ずかしく、やめれば待っている人に申し訳なく、最近どうしてやらないのかという質問に答えなければなりません。

つまり「好きだったことがいやになった」という言葉は、正確には「休む場所でしていたことが、働く場所へ移った」に近いのです。そのこと自体はそのままなのに、それをする自分が変わったのです。この移動はたいてい一度に起こるわけではないので、気づきにくいものです。頼みごとがひとつ、目標がひとつと少しずつ積もって、ある日ふと重さとして感じられるのです。

好きだったことが重くなる四つの道

何がくっついたかによって、重くなる道も違います。性格のタイプごとに、とくに弱い道があります。

くっついたものこんな瞬間に感じますとくに揺らぎやすいタイプ
見る目やる前に「これ、投稿できるかな」が先に浮かびます情動性の振れ幅が広い人
約束頼まれた分が積もって、自分のものをする余裕がありません協調性が高い人
目標と記録今日の分をこなせないと、やらなかったときよりもやもやします組織性が高い人
慣れ最初のときめきが消えて、同じ動作だけが残ります探究性が高い人

見る目。 情動性の振れ幅が広い人は、反応ひとつで大きく揺れます。反応がよければ次も同じくらいうまくやらなければと思い、反応がなければやらなきゃよかったかなと思います。その揺れが繰り返されると、結果を見せる前に、やる過程から緊張してしまいます。

約束。 協調性が高い人は、頼みごとを簡単には断れず、引き受けた頼みごとは最後まで責任を持とうとします。そうしているうちに、好きだったことが人の期待を満たすことに変わっていきます。

目標と記録。 組織性が高い人は、好きなこともきちんと管理したいと思います。一日何ページ、ひと月に何回というように基準を決めると、最初は楽しさが増します。でも基準が積もると、それは埋めなければならないマス目になり、マス目を埋められなかった日は失敗した日になります。

慣れ。 探究性が高い人は、新しく学ぶ段階でいちばん大きな楽しさを感じます。手になじんで、もう学ぶことがなさそうに見えた瞬間、興味が急速に冷めていきます。いやになったのではなく、学ぶことが尽きたのです。

四つの道のうち、ひとつだけが開いていることはまれです。頼まれたことをしているうちに記録がつき、記録がつくと見せたくなる、というように、お互いを引っぱってきます。だから一度に全部はがそうとするより、いちばん重く感じる道をひとつ軽くするところから始めるのが現実的です。

自分で確かめてみる

そのことを思い浮かべながら、当てはまる項目を選んでみてください。

  • 始める前に、結果を誰に見せるかを先に考えます。
  • やり終えると、すっきりするより、片づけたという安心が先に来ます。
  • 誰にも知られずにやる日のほうが、かえって少し楽しいです。
  • これをしなかった日は、理由もなく罪悪感を覚えます。
  • 最初にこれを好きになった瞬間が、よく思い出せません。

最初の四つのうちいくつも当てはまるなら、そのことが人前での自分の側に移っている可能性が高いです。五つめがとくに気にかかるなら、慣れのほうです。反対に、このことだけでなく、ほとんどすべてのことがこう感じられるなら、ひとつのことの問題ではなく、全体の燃料が底をついた状態かもしれません。そんなときは、最近なにもかも面倒で疲れていますを先に読んでみてください。

また軽く戻す五つの方法

  1. 見せない一回をつくります。 投稿もせず、プレゼントもしないものをひとつだけやってみてください。「これは自分だけが見るもの」と決めておけば、うまくやらなければという緊張が抜けて、ひとりのときの自分のところにそのことが少しのあいだ戻ってきます。写真を撮りたくなったら撮ってもかまいません。ただ、どこにも投稿せず、自分だけが見るアルバムに置いておくのです。
  2. 頼みごとには、引き受けられる大きさを決めます。 「今はひと月にひとつまでならできるよ。」断るのが難しいなら、断る代わりに大きさを伝えるのです。頼んだ人も待つ時間がわかるので、お互いに楽です。すでにたまっている頼みごとがあるなら、「思ったより時間がかかって、来月くらいになりそう」と先に伝えてください。遅れるかもしれないとはらはらしているより、先に言ってしまうほうがずっと軽くなります。
  3. 記録をしばらくオフにします。 何ページ読んだか、何回やったかを数えないひと月を決めてみてください。組織性が高い人なら、「記録しない」をルールとして書いておくほうが、かえってよく守れます。何も残さないのが不安なら、数字の代わりに「今日よかったこと」を一行だけ書いてみてください。
  4. 小さな新しさをひとつ取り入れます。 探究性が高い人なら、同じことの中で初めてやってみることを探してみてください。使ったことのない材料、走ったことのないランニングコース、読んだことのない分野の本のようなものです。学ぶことができれば、慣れたこともまた新しくなります。
  5. 戻ってくる日を決めて休みます。 それでも手が伸びないなら、無理につかんでいないで休んでもかまいません。ただ「もうやめる」ではなく、「来月の最初の週末にまた出してみよう」のように日付をつけておいてください。終わりではなく休んでいる途中なのだと、自分に伝えるのです。

こんなふうには読まないでください

  • 好きなことを人に見せては絶対にいけないという意味ではありません。見せることでもっと楽しくなる人もたくさんいます。重くなったなら、見せる分と自分だけの分を分けてみよう、ということです。
  • また前と同じくらい好きにならなければならないという意味でもありません。好きな気持ちは、季節のように移っていくこともあります。ひとつの時期を一緒に過ごしたことを手放すのも、失敗ではありません。
  • すぐ飽きる性格というラベルを貼らないでください。新しいことを学ぶときに大きな楽しさを感じるタイプは、次の楽しさを探しにいく力も大きいのです。
  • 好きだったことだけでなく、何にも興味がわかない日が長く続いて日常がしんどいなら、ひとりで耐えるより、心の健康を扱うカウンセリングを受けてみてください。

おわりに

好きだったことがいやになったなら、それはそのことが遠くへ移りすぎたというサインかもしれません。手放す前に一度、元の場所へ連れ戻してみてください。見る人も、締め切りも、数字もなしに、ひとりのときの自分にそのことを少しのあいだ返してあげるのです。そこでまた手が伸びるなら、それは今も自分のものです。

無料の性格テストは、人前での自分とひとりのときの自分を、5つの性格特性で別々に見せてくれます。組織性と探究性が二つの場面でそれぞれどのあたりにあるかを見れば、好きなことがどの道で重くなりやすいのかが見えてきます。

この記事は自己理解を助けるためのもので、心理診断や治療の代わりにはなりません。

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