
MBTIがころころ変わって当たらない気がするなら
表の自分と裏の自分の話
去年はT、今年はF。テストが間違っているのではなく、質問ごとに違う状況の自分が答えていたからかもしれません。結果が変わる理由と、もう一度テストを受ける前に確かめておきたいことをまとめました。
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お昼ごはんのあと、会社の同期と遊び半分でMBTIテストをもう一度やってみました。去年の今ごろはたしかにTだったのに、今日はFが出ました。「え、Fだったの?」と言われて一緒に笑ったものの、席に戻ってからもなんだか気になります。去年の私と今日の私、どちらの結果が正しいのでしょう。
先に押さえておきたいことがあります。MBTIは別につくられたテストで、この記事はそのテストが正しいか間違っているかを論じるものではありません。よく受ける四文字のタイプ診断を何度もやったときに結果が揺れる理由を、人前の私とひとりのときの私という二つの場から解きほぐしてみようというものです。
質問は、場を決めてくれません
タイプ診断の質問は、たいていこんな形です。「集まりで初対面の人に自分から話しかけるほうですか?」。ところが、この文を読んだ瞬間、頭の中にはある状況が浮かびます。ある日は会社の研修合宿が、ある日は仲のいい友だちの誕生日会が浮かびます。質問はどんな集まりなのかを決めてくれませんが、答える人は毎回、状況を一つ選んで答えています。
ここで結果が分かれます。会社の研修合宿を思い浮かべた日は、人前の私、つまり表の自分で答えることになります。仲のいい友だち数人との場を思い浮かべた日は、ひとりのときに近い私、つまり裏の自分で答えることになります。二つのキャラクターで社会性が違う人なら、同じ質問に違う答えが出るのは当然です。結果が揺れたのではなく、質問ごとに違うキャラクターが答えていたのです。
ほかの文字も同じです。質問を読んだときにどんな状況が浮かぶかによって、答えるキャラクターが入れ替わります。
| 行き来する文字 | 人前での状況 | ひとりのときや気楽に過ごせる状況 |
|---|---|---|
| EとI | 会社の研修合宿 | 仲のいい友だち二、三人との夕食 |
| SとN | マニュアルどおりに進める業務 | ひとりで没頭する趣味 |
| TとF | 会議で下す決定 | 家族のことで気をもむ夜 |
| JとP | 締め切りのある業務 | 何の予定もない週末 |
左の状況を思い浮かべた日と右の状況を思い浮かべた日で答えが違うなら、テストが揺れたのではなく、二つの状況の中の私がもともと違っていたのです。
去年はT、今年はFが出たのも、同じように読めます。去年は仕事の話が多い時期だったので、決定についての質問で会議室の自分を思い浮かべ、今年は身近な人のことで気をもむことが多い時期だったので、プライベートな状況を思い浮かべたのかもしれません。どちらが正しいかを考える前に、二つの時期に自分がおもにどんな状況の中で暮らしていたかを思い出してみてください。
結果を揺らすほかの理由
場のほかにも、結果を動かす理由がいくつかあります。
- スコアが中央付近にある性格特性です。 どちらにも大きく傾いていない性格特性は、一、二問違う答えをしただけで文字がひっくり返ります。毎回変わる文字があるなら、その性格特性のスコアは中央付近にある可能性が高いです。逆に、何回やっても同じ文字が出る性格特性は、どちらかにはっきり傾いていることが多いです。揺れる文字と揺れない文字を分けてみると、自分の基本設定と柔軟な部分が見分けられます。
- その週のコンディションです。 人づきあいに疲れた一週間を過ごしたあとなら、人と会う質問には消極的に答えがちです。締め切りが重なった週には、計画についての質問に敏感に反応します。性格は変わらないのに、答えるときのコンディションが違うのです。こういうときは、一回の結果より、数週間おきに二、三回やった結果をあわせて見るほうが正確です。
- なりたい自分で答えている場合です。 最近、計画的な人になろうとして手帳を使いはじめたなら、計画についての質問に、今の自分よりなりたい自分で答えやすくなります。結果が変わったのではなく、基準が変わったのです。
- 言葉の受け取り方が違う場合です。 「思いつきで動く」という言葉を、自由だという意味に読む日もあれば、無責任だという意味に読む日もあります。同じ質問でも、言葉から受ける感じが変わると、答えも変わります。
- 実際に場が変わった場合です。 就職、引っ越し、別れのように生活が大きく変わると、性格の一部もゆっくり動きます。これは揺れではなく変化です。何が変わって何が残るのかは、性格は変わるのかで詳しく取り上げました。
もう一度テストを受ける前に、自分で確かめてみる
また結果が変わるのではと気になるなら、テストを始める前に、次のことを確かめてみてください。
- 今回はどの場の私で答えるか決めましたか? 人前の私なのか、ひとりのときの私なのか、です。
- 質問の中の「集まり」や「仕事」を、毎回同じ状況で思い浮かべていますか?
- 今週はいつもとかなり違う週ですか? 締め切り、引っ越し、大きなけんかのようなことはありましたか?
- 今の自分ではなく、なりたい自分で答えていませんか?
- 前回の結果と比べて、変わった文字はいつも同じ性格特性に対応していますか?
最後の質問がとくに役に立ちます。変わる文字がいつも同じ性格特性に対応しているなら、その性格特性が自分の柔軟な部分です。逆に、変わる文字が毎回違う性格特性に対応しているなら、質問を読むときに思い浮かべた状況がそのつど違っていた可能性が高いです。こういうときは、場を先に決めてからもう一度やってみるのがいちばんの近道です。
変わる結果を役立つように読む方法
- 場を決めて二回やってみます。 一回は「会社の人たちの前の私」、もう一回は「何の予定もない週末の私」を思い浮かべて答えます。二つの結果が違うなら、その違いこそが自分の表の自分と裏の自分の違いです。どちらも間違った結果ではありません。
- よく変わる文字を情報として使います。 TとFを行き来するなら、その性格特性で自分は、状況に応じて論理も共感も取り出して使える人なのかもしれません。一文字に決めきれないのは弱点ではなく、その性格特性で取る反応の幅が広いということです。
- 結果の横に条件を書いておきます。 日付、その週のコンディション、思い浮かべた状況を一行ずつ残します。「3月、引っ越し直後、会社の研修合宿を思い浮かべた」のようにです。何回か積み重なると、変わったのが自分なのか条件なのかが見えてきます。
- なりたい自分は別に書いておきます。 テストには今の自分で答え、なりたい姿はメモ帳に残します。二つを混ぜなければ結果も揺れにくくなり、目標もはっきりしてきます。
- 友だちと比べるときも場をそろえます。 友だちは会社の状況で、自分は仲のいい友だちとの状況で答えていたら、二つの結果を並べてもうまく比べられません。一緒にテストを受けるときに「今回はみんな会社バージョンでやろう」のように場をそろえれば、お互いのどこが違うのかがずっとはっきり見えてきます。
こんなふうには読まないでください
- 結果が変わったからといって、テストがでたらめという意味ではありません。 同じ人でも、どの場を思い浮かべて答えるかによって違う姿が出ることがある、という意味です。質問が場を決めてくれないなら、答える自分が場を決めればいいのです。
- 自分に芯がないという意味でもありません。 場ごとに違う性質を取り出して使うのは、適応です。
- いちばんよく出た結果が本物という意味でもありません。 よく出た結果は、自分がよく思い浮かべた場の結果にすぎません。
- 一度出たタイプが一生のマス目という意味でもありません。 タイプは箱ではなく、今の時期の自分を写した写真に近いものです。
揺れる文字の代わりに、二つの場
結果が何度も変わったなら、それは自分が一つの顔だけで生きていないということです。どの場の自分で答えたのかがわかれば、揺れていた結果が、かえって自分を説明してくれるようになります。
無料の性格テストは、最初から人前の私とひとりのときの私を別々にたずねます。だから結果も、表の自分と裏の自分の二つのコードで並んで出てきます。どの状況を思い浮かべればいいのか迷うことが減ります。四文字ではよく見えなかった部分が気になるなら、MBTIがしっくりこないときもあわせて読んでみてください。
この記事は自己理解を助けるためのもので、性格を決めつける診断ではありません。
